桜の季節に思う事 ~気づき、受け入れ、理解し、広げる~

新年度が始まる4月のこの時期は、街を歩くとあちこちで華やかな桜の木を目にします。一年中ずっと花を咲かせる時期を窺って、春が訪れるこの時期だけ圧倒するような姿で咲き誇り、わずか10日ほどで散ってしまう桜は我々日本人の心を捉えて離さない、この季節には欠かせない日本の風景です。

美しいこの花を愛するのは日本人だけではありません。都内の桜の名所と言われる場所を歩くと、多くの外国人観光客の方がその美しさに驚嘆の声を上げ、写真撮影を楽しむ姿をあちこちで見かけます。実際旅行代理店の方から話を聞くと、この時期に桜を見る目的で日本を訪れる外国人は急増しており、団体、個人客とも桜の開花情報や、日本への花見ツアーの問い合わせが絶えないそうです。

先日都内随一の花見の名所である千鳥ヶ淵を訪れた際も、大勢の外国から来た観光客と思われる方が桜の鑑賞を楽しんでいました。平日の日中でしたので、その半数ほどが海外から来られた方だったような印象さえ感じました。また、訪日観光客は事前に良く情報を調べている様子で、ほとんど地元に住む方しか行かないような桜のスポットにも出没し、アクティブに桜鑑賞を楽しんでいました。

*写真はその際に撮影した、神田川の桜です。有名な中目黒の桜のようですが、こちらは人も少なくゆっくりと楽しめます。外国人の方も、時間をかけ様々なポーズを取って写真撮影していました。

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このように季節を楽しむ旅は訪日外国人の方に大変人気があります。その時期、その土地でしが味わう事が出来ない体験にはわざわざ足を運ぶだけの価値があるという事です。インバウンドの集客を行う際に、このようなイベント、希少性を生かす気づきと言うのは大変重要となります。何が日本に来る外国人のモチベーション、目的となって皆さんの施設に来られるのかを様々な点から検証し、継続的にキラーコンテンツとなる情報を発信し続けることが安定した集客につながります。

その際に気を付けていただきたいのが、まずは海外旅行者を受け入れるという基本的な姿勢を持つことです。異なった生活習慣、文化を持つ海外の人々が日本に来ると、我々からすると予期せぬ反応や受け止め方をする旅行者がいることは事実でしょう。花見目的の外国人観光客が直接桜の枝を触って写真を撮る、ひどい場合は枝を折ってしまうなど日本人からするとマナー違反の行為を指摘し、映像で流すマスコミなどの報道なども目にします。

確かに、一部行き過ぎた行為がある事と私も思う事があります。ただ、外国人から見て、美しい桜の下で大騒ぎをしたり、ビニールシートを朝から敷いて桜の下まで行けなくなるような場所取りを当たり前のように行う、日本のお花見の習慣をどう思っているのでしょうか?屋外で飲酒し泥酔する姿や、ゴミを桜のたもとに散乱して引き上げる日本人をどう感じているのでしょうか?我々からしたら当然に思える行為が、世界のスタンダードからするとずれてしまっていることは往々にして起こります。文化、習慣の違いをまずは理解する姿勢を持ち、違いがあるといいことに気づき、節度を持って受け入れる心構えを持つことからインバウンドビジネスは始まります。

正直、全く違った環境で暮らしてきた訪日外国人の取る行動、考え方を理解するのには時間がかかる場合もあります。ただ繰り返しますが、彼らが日本を訪れるのは何か日本でしかできない体験、ユニークな経験を求めているからです。まずはそういった思いを受け入れで下さい。そしてその思いを、理解しようとすると何らかの工夫が生まれます。その工夫が海外から訪日した観光客と、皆さんの商品、サービスをつなぐ役目をします。純粋な気持ちで日本を楽しみたいと考えている外国人には、皆さんの商品に宿るお客様への思いがストレートに伝わります。その思いが伝わる事が、彼らにとって良き体験となります。

人は本当に嬉しい経験をすると、人に伝えたくなります。今我々に周りには、旅の思い出、体験をシェアし、広げることが手軽にできるツールにあふれています。ほとんどの外国人観光客はスマートフォンやカメラ、ビデオを手に持ち、訪れた各地で様々な風景を撮影しています。その撮影した写真、動画は簡単に世界中に簡単にシェアすることが可能であり、アクティブユーザーの彼らは旅の経験、思い出を誰かに語り、良かった商品を他人に伝えたくてたまらないのです。これは言い換えれば、訪日旅行者があなたの商品を世界中に宣伝してくれることになります。

自然な流れで、この気づき、受け入れ、理解し、広めるというサイクルを創ることが出来るサービスは商品力があります。この流れをインバウンドマーケットでこれから共に作って行きましょう。

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